低価格・高品質、簡単に設計管を製造する「パイプ組立装置」

北九州発のすぐれた新製品・新技術として、「パイプ組立(仮付け)装置(短管計測・再現装置)」を開発したプラスワンテクノが、平成24年度・北九州市中小企業支援センターの「販路開拓支援プロジェクト」支援企業に選定された。

プラント・製造設備、船舶には配管が張り巡らされており、3万トン級の船の配管は1万本にも達する。その中で最も難しい配管をつなぐ接続管(フランジ)の製作で、能美社長は「『パイプ組立装置』を使うと、高品質な設計・接続管を図面通りに誰でも簡単・正確に作ることができる」と話す。

パイプ組立装置パイプフォーム

プラント・製造設備や造船における配管工事では、現場での型取りや溶接・切断などの作業に加え、重量物のパイプを現場に搬入・出する作業が伴う。だが、それを再現機に配管の図面・実測データを入力するだけで、熟練者に頼らずパイプ組立装置が容易に設計管の製作を支援してくれる。導入メリットは「不具合品の大幅減少、作業時間の短縮によるコスト削減と、現場での溶接が不要となり、作業の安全性も図れる」ことだと能美社長は胸を張る。

同社は自動計量機メーカーとして創業。バイブレータ(振動)方式によるインスタント食品の具材、お茶、刻みのり、錠剤など小袋包装では「正確な計量ができず、無駄が発生する」と、能美社長が開発に取り組んだのがコンマ単位の軽量、コンパクト・タッチパネル方式で簡単操作の自動計量機「プチスケールシリーズ」だ。世界で初めてパイプフィーダ方式を採用した高速計量(自動計量・ミックス計量・個数計量)は、歩留まりを大幅に向上させるなど、優れた威力を発揮している。

「ニッチなニーズに細かく応える」。それが能美社長の開発戦略で、製造上の欠陥を解決する研究が特許製品の開発につながった。ただ、今は開発が先行し若干、営業不足の感は否めない。今回販路開拓支援を受けることで、「主に中・小のプラント設備工事業界との取引を拡大したい」と語る。

【特許】切り出し秤量装置、パイプ組立装置、シーリング装置・包装機他、6件(日本、一部韓国・中国・米国・フランスを含む)、実用新案3件。

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